青春18きっぷで行く猿橋と中央線新グリーン車体験|山梨日帰り旅
投稿日: [current_date]
カテゴリー: 旅行, 鉄道, 一人旅
タグ: #青春18きっぷ #猿橋 #中央線 #グリーン車 #山梨 #日帰り旅行 #国定忠治
目次
はじめに:即興の旅
さいたま市に住む私が、春の訪れを感じる3月のある平日、思い切って青春18きっぷを使った小旅行に出かけることにしました。実は家を出る時点では行き先を決めていませんでした。漠然と小淵沢や甲府方面に行けないかと考えていたのです。しかし、電車に乗ってからルートを調べてみると、小淵沢や甲府までは日帰りでは時間的に厳しそう。せめて山梨県には足跡を残したいと思い、大月あたりまで行くことに決めました。
駅近の景勝地として猿橋があることを発見し、そこを目的地に定めたのです。日本三大奇橋の一つとして知られるこの橋を実際に見てみたいと思い、また帰りには今年3月からデビューしたJR中央線の新しいグリーン車に乗ることも密かに楽しみにしていました。即興で決めた日常から少し離れた一日の鉄道旅、その全行程をご紹介します。
ルート選択と電車の旅
即興の旅だったため、明確なルート計画はありませんでしたが、さいたま市から山梨方面へは埼京線、そして武蔵野線を経由して中央線に乗り換えるのが効率的と判断しました。
朝10時過ぎ、さいたま市の自宅を出て最寄り駅へ。携帯だけを持って身軽に出かけることにしました。埼京線から武蔵野線、そして中央線と乗り継ぎ、お昼近くの車内では山梨への行き方を調べながら、窓から見える景色が徐々に都会から山間部へと変わっていく様子を楽しみました。乗車中に調べた結果、大月駅から近い猿橋が良さそうだと思い、約2時間半の旅の末、猿橋駅に向かうことにしました。
猿橋駅と路線図の発見
お昼前、ようやく猿橋駅に到着。中央本線の小さな駅ですが、駅舎はレトロな雰囲気が漂い、すでに旅情を感じさせてくれます。曇り空で肌寒い日だったため、駅に降り立った瞬間、寒さが身に沁みました。いつか訪れた際には富士山も見たいと思っていましたが、この日は雲に覆われて残念ながら叶いませんでした。

ホームに立ち、駅の時刻表や路線図を眺めていると、興味深い発見がありました。猿橋駅から見ると、東京方面と小淵沢方面がほぼ同じ時間距離にあるのです。当初考えていた小淵沢行きが如何に日帰りでは難しかったかを改めて実感しました。朝から小淵沢を目指していたら、おそらく日が暮れてから帰ることになっていたでしょう。今回の「行き当たりばったり」の旅プランは、結果的に正解だったと安堵しました。
猿橋:日本三大奇橋の一つ
駅から猿橋までは徒歩約10分。案内看板に従って歩いていくと、山間の道の先に突如として現れる見事な石造りの橋。「おおっ!」と思わず声が出るほどの迫力です。最初に橋の上から谷を覗き込んだ時、その高さに驚きました。こんなに高いところに橋がかかっているとは知らなかったのです。
猿橋は、桂川にかかる全長31メートルの石橋で、橋脚を使わずに両岸から張り出した構造が特徴的です。まるで猿が両手を伸ばして川を渡ろうとしているような形から「猿橋」と名付けられたという説も。日本三大奇橋(猿橋、岩国の錦帯橋、木曽の桟)の一つに数えられる価値が十分に理解できる美しさでした。
橋の下から見上げると、複雑に組み合わされた石組みの技術に感嘆。江戸時代の工法でこれほどまでの建造物を作り上げた先人の知恵に驚かされます。橋の上からは、エメラルドグリーンに輝く桂川の清流と周囲の山々のコントラストが絶景でした。そして橋の近くには、早咲きの桜がちらほらと咲き始めており、春の訪れを感じさせてくれました。
猿橋と国定忠治の意外な関係
橋の近くにある売店は残念ながら営業していませんでしたが、売店付近の看板に目が留まりました。そこには意外な歴史的つながりが記されていたのです。なんと、この猿橋は江戸時代の有名な侠客(おとこだて)、国定忠治とも関わりがあるとのこと。看板によると、「赤城の山も今宵限り」という有名な文句で知られる国定忠治は中仙道から甲州街道を抜け一路猿橋の大黒屋へと向かったそうです。数日の逗留の後、追われる身となった忠治は猿橋の中央へと追い詰められ行く場所を失った忠治は桂川の雨後の激流に身を投じ、川上に逃れ窮地を脱したという記述がありました。
歴史好きとしては思いがけない発見に、急に猿橋がより魅力的な場所に感じられました。残念ながら今回は猿橋公園までは足を伸ばせませんでしたが、次回訪れる際にはぜひ公園も含めてゆっくり散策したいと思います。
新グリーン車での帰路
午後3時頃、猿橋駅から帰路につくことに。ここからが今回の旅のもう一つの楽しみ、3月からデビューした中央線の新グリーン車に乗車するチャンスです。普段は青春18きっぷで特急やグリーン車には乗れませんが、今回は少し贅沢に、グリーン券(約1,000円)を追加購入して特別な体験を楽しむことにしました。グリーン車に長く乗りたかったので、あえて東京駅まで直通で乗ることにしました。
その前に、せっかく山梨に来たのだからと思い、駅の売店で「甲州ハイボール」を購入。山梨の地酒を使ったハイボールかと期待したのですが、缶の裏面をよく見ると製造元は「栃木県下野市」とあり、少し残念な気持ちに。それでも「甲州」の名を冠したドリンクで今日の旅を締めくくろうと思い、グリーン車に乗り込みました。
乗り込んだ瞬間、新車の香りが漂ってきました。新しいグリーン車は本当に新しく、シートもピカピカで、まるで展示会場のような清潔感がありました。期待以上の快適さです! リクライニングが広がったシート、足元も広々としていて、2時間半の帰路がとても快適に過ごせました。座席はシックなグレーの生地で、赤みがかった絨毯と調和した上品なデザインです。全体的に落ち着いた雰囲気。車内販売もありました。
缶を開け、甲州ハイボールを一口。ウイスキーベースのさわやかな味わいが、窓外の景色を眺めながらの帰路にぴったりでした。製造地は栃木でも、山梨の旅の締めくくりに華を添えてくれました。
まとめと次回の計画
青春18きっぷを使った今回の旅は、日帰りながらも充実した内容となりました。日本の伝統的な建築美を堪能できる猿橋は、歴史好きの方にはぜひおすすめしたいスポットです。特に平日に訪れると、観光客も少なく、ゆっくりと写真撮影を楽しめます。
そして帰りに利用した中央線の新グリーン車は、少し費用はかかりますが、長時間の移動の疲れを癒すのに最適。特に旅の終わりに利用するというのは、良い締めくくりになりました。
次回は青春18きっぷを使って、さらに奥の中央線、松本や塩尻方面まで足を伸ばしてみたいと思います。
コメント